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学校法人会計について

1. 学校法人会計とは

 学校法人の会計の目的は、予算に基づく資金の収支と年度末における損益や財産の動きを明らかにすることです。これを、学校法人会計基準(以下「基準」と表記)は要求しています。
 複式簿記の原則にのっとって、2系列の処理を行う必要があるわけです。これを手作業で行っていたときにはいろいろな簡便法が考えられていましたが、コンピュータで処理する事により基本的な方法を使用して簡単にできるようになりました。
 「基準」の精神には、5つの原則があります。
(1)真実性の原則
処理が真実に照らして行われていること。
(2)複式簿記の原則
複式簿記の方法のもとに実施されていること。
(3)明瞭性の原則
処理の方法が明瞭であること。
(4)継続性の原則
同一の方法で継続的に実施、運用されていること。
(5)総額表示の原則
借入金等の表示で、入金金額と出金金額等の差額で表示(相殺)することが無いこと。
ただし、例外として、学校運営に直接関わらない預り金や仮払い金などの経過的な収支や、学生食堂などの教育活動に付随する収支は、純額表示(入金、出金の相殺表示)してもよい。

2. 会計期間と計算書類

(1)会計期間
4月1日〜3月31日
(2)計算書類
・資金収支計算書
・資金収支内訳表
・人件費支出内訳表
・消費収支計算書
・消費収支内訳表
・貸借対照表
・固定資産明細表
・借入金明細表
・基本金明細表

・基本金明細表の付表
・収支予算書(資金収支予算書、消費収支予算書)
・収益事業に関する損益計算書、貸借対照表

計算書類(決算書)は、公認会計士の監査を受けたのち6月30日までに所轄庁へ提出する必要があります。ただし、所轄庁からの補助金が1000万円以下の場合には監査免除を申請できるそうです。
用紙の大きさは、日本工業規格A4判となっています。ただし、資金収支内訳表、人件費支出内訳表と消費支出内訳表において、部門数が多い場合はこの限りではありません。
収益事業を行っている法人は、その収益事業に関する損益計算書と貸借対照表を添付することが必要です。
(3)会計処理の特例について
[1] 都道府県知事所轄学校法人の特例について
高校以下を設置する学校法人で、単一の学校のみを持つ法人は、資金収支内訳表と消費収支内訳表を省略することができます。
[2] 小規模法人における会計処理等の簡略化について
契約に基づき継続的に受ける使役に対する支出と収入は、発生時に処理することができます。
例えば、電気、ガス、水道の費用は、前払いや、未払いの処理をせずに、その都度処理することができます。また、受取利息等も同様の扱いを許されています。
[3]高等学校を設置しない法人における特例
徴収不能引当金の繰入れ処理を省略することができます。(発生時に徴収不能額を計上すればよい)また、第4号基本金の組入れをしなくてもよく、基本金明細表の作成も省略することができます。
また幼稚園のみを持つ法人では、「運動会支出」「保育講習会参加費支出」等、形態分類によらない勘定科目で表記することができます。(大科目の金額の1/100程度まで)

注)各都道府県知事からの通達がある場合にはその指示に従う必要があります。

3. パソコンを用いた学校法人会計の実際

(1)計算体系について
資金収支取引と消費収支整理取引を入力して、資金収支元帳と総勘定元帳の2系統の計算処理を自動的に行い、決算書類を効率よく作成できるようなシステムが好ましいと考えます。
日々の資金の動きについて、仕訳を行い伝票を起票(入力)し、仕訳内容を検査して資金収支元帳と総勘定元帳に取引を記載していく。日毎の取引では支払資金の残高による確認や、必要に応じて集計結果を印刷、画面照会します。月ごと勘定科目ごとの残高を集計し月次帳票を印刷します。その結果が決算時の計算書類になっていく訳です。
(2)元帳について
資金の動きは、資金収支元帳に必ず記載します。資金の動きは、また、消費収支や貸借対照表に影響を与えますから、それらは、総勘定元帳に記載する(自動的にされる)ことになるわけです。
資金の動きをともなわない処理(消費収支整理取引)、すなわち、減価償却に関する処理、基本金組入れ、現物寄付金に関する処理等は、総勘定元帳にのみ記載されます。
(3)記載科目と勘定科目
記載科目とは、計算書類に印刷される勘定科目をいいます。勘定科目は、記載科目より概念が大きく、実際に使用する際の科目と考えられます。